Nature


「県や全国トップレベルの選手と指導者の想い」

 主に恩納村で活動している陸上チームNature(ナチュール)は、陸上のほとんどの種目で県や全国トップレベルの選手を育てている。「アスリートとして、自分自身が成長する」ことを目標に、日々練習に励んでいる。指導者の方に話をうかがうと、陸上チームは指導者の専門種目の記録がよくなる傾向がとても強いのだという。しかし、Natureは、多くの種目で好成績を残している。

 その強さの秘密はどこにあるのか。それは陸上の英訳である「Track&Field」という言葉を大事にしているNatureの指導者の想いがあった。Track&Field、それは陸上のトラック競技とフィールド競技を意味している。一口に”陸上”といっても多くの種目が存在しているのだ。「陸上をするならTrack&Fieldという文字の通り、陸上のたくさんの種目を子どもたちにさせて陸上の楽しさを知ってほしい。」そう考えている指導者が、子どもたちに熱心に指導をしている。

 Natureのコーチは2015年に最優秀指導者賞を受賞している。

「個々にあった練習」

 県トップレベルの選手が多く在籍する同チームは、いったいどんな練習をしているのか。練習を覗かせてもらうと、特別厳しい指導をしている様子もなく、子どもたちはみんなノビノビ楽しそうに練習に励んでいた。

 「厳しい練習をしたら、もちろん記録はよくなる。”今”の記録も大事だが、長い目で見て将来のことを考えた指導を大切にしています。」とコーチ。子どもの体格や体の成長は、子どもによって発達スピードが大きくちがう。そのことをコーチが十分に理解している。

 同じ練習でも、子どもにとって合う合わないがどうしてもあるし、回復力や体力も人それぞれ。たくさん休まないと次の練習にいけない子もいる。その場合は、その子が次の練習に行けるようになるまでしっかり休ませる。スパイクが合わない子は無理して履かせない。スパイクは成長期の子どもの足にふたんになるのと、シューズの方が正しい走り方を身につけることができるのだそうだ。”今”記録がでなくても、高校や大学、社会人になってからどんどん記録が伸びていく子もたくさんいるのだという。

 身長の伸び、体力の向上、筋力の発達は、子どもたちではみんなスピードが違う。そのことをよく理解したコーチが指導しているNatureは今後の選手の活躍が本当に楽しみだ。

「全ては”陸上”と”生きる力”につながるたくさんの経験」

 Natureに所属している子どもたちは、陸上以外のことにも取り組んでいる子が多い。卓球、バレーボール、野球、そして陶芸をやっている選手もいる。スポーツの基本は”走る”こと。そのことを、子どもたちもよく理解していて、学校の部活動だけでなく、同チームで陸上にも熱心に取り組んでいる。その中で”陶芸”と聞くと、陸上と繋がらなそうだが、「自己表現」という面で陸上とつながるのだという。陶芸も陸上も「自己表現」が大事になってくる。

 Natureでは「自己表現」の能力を豊かにするためにチームで「アート」の体験にも参加しているのだという。「アート」はまさに自己表現!色の塗り方だけでも、濃く、薄く、叩く、こする、のばす、曲げる等、さまざまな表現方法がある。自分が表現したいことを自由に表現させるためにアートを体験させ子供達の表現力を養っている。チームTシャツも子どもたちがデザインを考えることが多いのだという。さらに、闘牛戦士ワイドーの文字をデザインしたデザイナーもNatureのTシャツデザインに加わったのだとか。

 ところで、陸上は「時間」との戦いだ。トラック競技はもちろんのこと、競技前の受付、アップから時間との戦いは始まっている。受付時間、召集時間が決まっており、小学生は普通、指導者が受付場所まで付き添って申請を行う。しかし、Natureは全て子どもたちが自分で行う。指導者も親も受付には付き添わない。競技時刻から逆算して、アップの時間や移動時間を考えて自分で行動する。練習からその取り組みが徹底されており、試合を意識して子どもたち一人ひとりが考えて行動している。これは陸上だけでなく、将来生きていくうえで大切なことではないだろうか。もちろん、子どもたちは、あいさつや返事もしっかりできている。

「幅広い視野をそだて目標を持つ」

 Natureは夏と冬に合宿を行なっている。他の陸上チームと合同で合宿を行なって近くの公民館に宿泊する。その際、管理栄養士さんの考えたメニューを、保護者や地域の方が調理をして子どもたちに提供している。地域の方々にも支えられ、子どもたちはのびのび育っていく。また、県外にも合宿にいき、九州や全国レベルを体験するだけでなく、県外から全国トップレベルの指導者に来てもらいいっしょに練習している。それによって子どもたちは、人との関わり方を学び、視野を広げ、意識することが増え、考え方が変わり、自然と「目標」を持つことができる。目標に向かって努力する大切さを自然と学ぶことができる、すばらしい環境で毎日の練習に取り組むことができるNature。これからの活躍に目が離せない。

(翁長 武由)


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